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会長兼社長講義 バックナンバー【2012年6月28日】

当社では、毎月勉強会を行なっており、毎回1つのテーマに沿って会長が講義を行います。
ここでは、その講義内容をご紹介し、当社がどういう会社か少しでも知っていただければ幸いです。

平成24年6月28日

人生での全ての出合いや経験が年輪となる

 人の一生が人生であります。私もこの人生を82年過ごそうとしています。人が生きるということは、先ず産み育ててくれた親がいて、育つ過程や環境に人(他人)がいます。この中に全ての出会いと経験を生み出す機会があり色々な人生の「文」(あや)が生まれます。

 私も多くの人々との出合をもちながら今日があります。その中身は千差万別でありますが、今思えばその一つ一つに意味があり私の成長の過程において良い経験であったり、また悪い経験であったりの全てが私の今日の成長の糧となっていることの事実に対して感謝しています。人間は多くの出合いや経験を重ねていく中に、成功もあれば、失敗もあります、これが人生というものでしょう。

 樹木は常にあらゆる自然環境の変化の中で成長していますがその中にあって特記できる木が「屋久杉」であります。屋久島の標高500mを超える山地に自生する「杉」で樹齢1000年以上のものを「屋久杉」といっています。

 私も、過去に屋久島を訪れる機会があり、樹齢2000年を超える「縄文杉」(7200年)「紀元杉」(2000年)「ウイルソン杉」(3000年)等、所謂「屋久杉」に触れることが出来、悠久の歴史を感じると共に人間世界の無常さを思いました。

「屋久島」は九州本土の南端、佐多岬の60kmほど南にある小さな島(500ku)ですが九州一高い1936mの宮之浦岳がそびえる山の島です。海にはサンゴ礁や熱帯魚が遊び、砂浜にはウミガメが産卵します。それでも山頂には雪と氷の冬が訪れるという特種な気象環境は、まさに日本の四季が全てある島であります。「風の旅人」という文化誌のなかに、無農薬、無肥料で育てる野菜のことから屋久杉、そして人間のことに思いをはせて、現在の日本国のことが頭をよぎった。日本は屋久杉のように千年かけて年輪を積み重ねて文化を育ててきた。文化の中には、暮らしの知恵や、人生観や世界観も全て含まれている。

資源に恵まれず、自然災害が頻繁に起きるという過酷な環境ゆえに、急速に伸長することはないけれど、日本は毎年少しづつ年齢を積み重ねてきた。屋久杉の年輪の間は緻密で非常に美しい。そして、樹脂のかおりが素晴らしい。困難のなかで諦めずコツコツと生きることは、そのように美しく芳しいものであることが、屋久杉の年輪から伝わってくる。そして屋久杉は、数千年の生涯を終えて倒れた後も腐ることなく残り続け、その倒木の上に、無数の新たな命を息づかせる。人が生み出す文化もまた同じ。個人の生涯という狭い枠組みのなかで命が簡潔しているのではない。一生を終えても、その人が文化と呼べる生き方をしていれば、その文化の中から新しい命が次々と生まれてくる。

 文化と呼べる生き方とは、屋久杉のように、過酷な環境のなかでも忍耐強く、決して腐ることなく、少しずつ少しずつ年輪を重ねていく生き方のことだ。

 年輪には、太陽や水や空気や周りの生物など環境世界との関係性が織り込まれている。自分本位に周りから様々なものを収奪していく生き方は、急速に年輪の幅を広げ、見た目には立派にみえるかもしれないが、その内実は粗く、ちょっとした環境変化ですぐに腐ったり倒れたりする。自然環境の中にも、人間環境の中にも、そうした例は、それこそ腐るほどある。見た目の大きさや太さよりも、その中身の緻密こそが命をリレーしていくうえで大事なこと。中身がスカスカで、見た目ばかりおおきなものは、風に倒れて、雨に打たれてすぐに腐り、消えてしまう。

 この100年の日本社会が進んできたベクトル(大きさと向きで表す量、方向性)は、千年生きる屋久杉とはまったく逆方向であった。見た目の立派さや、規模の拡大ばかりを競ってきたし、それが価値評価の基準だった。表の体裁はキレイで立派で強くみえても裏にまわれば汚く醜く弱い、というものは、周りに溢れている。(ここまでは風の旅人編集便りの一部)

 21世紀の現在における最大の特性はグローバリゼーションです。世界経済の融合と連携深化という共通の課題が、人間という複雑係の集団の中で、どのようにどこまで共通の理念として理解されるのか、その「解」はこれからです。現在の世界におけるあらゆる混沌混迷もわが国における現状も、全て同一視点にその原因となるものが存在していると思われます。私達はそれぞれの人生において、あらゆる努力と経験を積み重ねその中から自身の戦力となる能力を習得し変化の激しい現在社会の中で生かしその一つ一つが世の為人の為になるかが人生における年輪となって、自身のお宝となります。私達は毎日の仕事の前に人であることを忘れてはいけない、「物や家」が対象ではない、その前に人があることを常に心して働くことです。北島三郎さんが苦労年輪木は育つと唱っています。私たちの努力がお客様の「幸せ」のお手伝いになるかが、大切な事柄であります。そしてその集大成が、人生における美しい年輪となって、一生懸命生きてきてよかったな…という自分自身の大きな自信と喜びとなります。


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